こんにちは。Twitterでたまに写真向けプリンターで迷われている方がいるので、写真向けプリンターについてまとめてみました。
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■染料と顔料の違い
写真向けプリンターではインクが、染料と顔料のものがあります。それぞれの特徴は
【染料】
・インクはプリント用紙に染み込む。
・染み込むので紙の質感が活かしやすい。
・染み込む都合上、プリント直後とインクが乾いた後では色が変化する。
【顔料】
・インクはプリント用紙の上に付着する
・光沢紙の場合、光沢ムラが発生する(後述)
・インクがすく乾くので、色が安定するのが早い。
簡単にはこんな感じです。基本的には色が早く安定する顔料のほうが、プリントを追い込みやすいので、写真向けと言えます。
しかし、顔料は色を付着させているので、光沢紙にプリントした際に、白の部分とそれ以外の部分で光沢の差が生まれてしまう欠点があります。これは、染料であれば、インクが紙に染み込むため、表面の光沢は均一なので発生しません。ですので、光沢紙、特にピクトリコのホワイトフィルムのような超光沢紙を使用する場合は染料のほうが良いと言えます。
また、顔料のプリンターでも、光沢を均一にするための透明インク(グロスオプティマイザとか)を搭載している機種もあります。
それでは各機種を紹介していきたいと思います。
EPSON SC-PX5VⅡ
用紙サイズ:A3ノビまで
インク:顔料
インク種類:8色(フォトブラックもしくはマットブラック・グレー・ライトグレー・シアン・ライトシアン・マゼンタ・ライトマゼンタ・イエロー)
写真向けプリンターとして定番なのはEPSONのSC-PX5V2です。写真大学でも推奨されがちな機種です。特徴は2種のブラック(同時装着出来るけど、同時使用は不可)と2種のグレーでモノクロの諧調再現が良いことです。非常にバランスが良い機種で、特に何もなく、EPSONのプリンターを選ぶならこの機種が無難かと思います。価格は8万5000円前後、インクは1セット2万円です。この機種の上位機種はSC-PX3Vで、インクの種類は代わりありませんが、A2対応の機種となっています。(なので3Vは割愛)
EPSON SC-PX7vⅡ
用紙サイズ:A3ノビまで
インク:顔料
インク種類:8色(フォトブラック・マットブラックもしくはブルー・レッド・オレンジ・シアン・マゼンタ・イエロー・グロスオプティマイザ)
SC-PX7v2はカラー向けの機種です。マットブラックとブルーは同じ場所を使うので同時使用は不可となっています。ですので、ブラックは1種類のため、モノクロの諧調再現性はあまり良くなく、色かぶりしたモノクロになってしまいます。ですが、ブルー・レッド・オレンジを搭載しており、5v2よりもカラーの発色は鮮やかなので、風景などのカラー写真のみプリントするという場合には向いていると思います。さらには、グロスオプティマイザも搭載しているので、光沢紙で光沢を均一に出せるメリットがあります。価格は6万〜6万5000円ぐらいと5v2よりお買い得です。
EPSON EP-10VA/EP-30VA/EP-50V
ヨドバシ.com EP-10VA(A3対応・スキャナー付き)
ヨドバシ.com EP-30VA(A4対応・スキャナー付き)
ヨドバシ.com EP-50V(A3ノビ対応)
インク:染料
インク種類:6色(ブラック・グレー・レッド・シアン・マゼンタ・イエロー)
この3機種はどれもEPSONのColorio V-Editionの機種で、顔料の3機種よりは家庭向けに寄せた機種ですが、写真にも強い機種です。3機種ともインクの種類は同様で、違うのは対応している用紙サイズとスキャナーの有無となります。EPSONで染料機を使いたい場合、この3機種から選ぶことになります。価格はどれも4万5000円〜5万円前後と顔料機より安くなっています。
Canon PIXUS Pro-10S
用紙サイズ:A3ノビまで
インク:顔料
インク種類:10色(マットブラック・フォトブラック・グレー・シアン・フォトシアン・マゼンタ・フォトマゼンタ・イエロー・レッド・クロマオプティマイザー)
EPSONの5V2に対抗するCanonの機種がこちら、Pro-10Sです。Pro-10Sはインクが10色と5V2より2色多く、レッドとクロマオプティマイザーを搭載しているのが特徴です。ライトグレー相当の色は搭載されていませんが、モノクロの諧調再現性は良く、さらにはクロマオプティマイザーを搭載しているので、光沢を均一に出せるのがメリットです。価格も7万円程度と5V2より安価なのも魅力な、バランスの良い機種です。
Canon PIXUS Pro-100S
用紙サイズ:A3ノビまで
インク:染料
インク種類:8色(ブラック・グレー・ライトグレー・シアン・フォトシアン・マゼンタ・フォトマゼンタ・イエロー)
染料版Pro-10Sとも言えるこの機種は、染料にこだわるならば一択といえるほど良い染料機種です。EPSONの染料機とは異なり、3色のブラック系インクにシアン・マゼンタが2色と顔料機と同様のインク種類なので、諧調再現性が良いです。光沢紙しか使わない!という場合はベストな機種です。価格も7万円とPro-10Sと同様の価格となっています。
Canon imagePROGRAF Pro-1000
用紙サイズ:A2まで
インク:顔料
インク種類:12色(マットブラック・フォトブラック・グレー・フォトグレー・シアン・フォトシアン・マゼンタ・フォトマゼンタ・イエロー・レッド・ブルー・クロマオプティマイザー)
現在最強機種とも言えるのがこの、Pro-1000です。Canonらしく赤鉢巻までされている機種で、A2対応インクはなんと12色、モノクロもカラーも無敵ですね。さらには用紙を下から空気で吸引することにより、安定した用紙給紙を実現しています。価格は現在17万円と高いですが、その分性能も抜群なので、予算が許すならばぜひ購入して欲しい機種です。
機種の紹介は以上です。私としてはコスパも考えると、SC-PX5V2かPro-10S。染料ならばPro-100S、予算が許すならばPro-1000を選ぶのが良いかなと思います。